帰省したら30分で。親のスマホを詐欺から守る設定リスト(iPhone・Android・家の電話)
年末年始の帰省は、親のスマホを見てあげられるチャンスです。ニセ警察詐欺や国際電話の詐欺に備えて、iPhone・Android・家の電話でやっておきたい設定を優先順にまとめました。設定より大事な「家族の約束」や、親との話し方のコツも紹介します。
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年末年始の帰省は、離れて暮らす親のスマホを見てあげられる数少ない機会です。警察官を名乗る「ニセ警察詐欺」や、「+」から始まる国際電話の詐欺は、いまも増え続けています。
ただ、「詐欺に気をつけてね」と言うだけでは、なかなか防げません。だまされないように注意するより、そもそも詐欺の電話やメッセージが届きにくい設定にしておくほうが確実です。
そこで、帰省したときに親のスマホと家の電話でやっておきたい設定を、優先順に並べました。全部やっても30分ほどです。
この記事のポイント
- 最優先は電話。iPhone は「不明な番号をスクリーニング」、Android は警察庁推奨の無料アプリ、家の電話は国際電話を無料で止める
- 次にメッセージ。知らない差出人の SMS を分けておけば、偽の宅配便や銀行のメッセージを開きにくくなる
- 設定と同じくらい大事なのが、家族の約束。「お金の話が出たら、いったん切って家族に電話」を決めておく
- 標準の機能でできることを先に済ませ、足りないところだけセキュリティソフトで補う
まずは手口を知っておく
警察庁のまとめでは、特殊詐欺の被害は今年の1〜6月だけで1,816億円。そのうち507.9億円が、警察官を名乗るニセ警察詐欺によるものでした。ニセ警察詐欺は、ほぼすべて(98.2%)が電話から始まっています。
使われる電話番号にも特徴があります。2025年の報告では、詐欺の番号の4本に3本が、「+」で始まる海外の番号でした。
いま親世代が気をつけたい入口は、主にこの3つです。
| 入口 | よくある手口 |
|---|---|
| 電話 | 警察官や電話会社を名乗り、「口座が犯罪に使われている」と不安にさせる |
| SMS(メッセージ) | 宅配便の不在通知や、銀行・カード会社を装い、偽サイトに誘う |
| メール | 漏えいのお詫びや、アカウントの停止を装い、パスワードを入力させる |
ニセ警察詐欺の流れと見分け方は「「警察です」の電話は本物?」に、くわしくまとめています。
帰省したらやる設定リスト(優先順)
1. 電話:知らない番号に出なくてすむようにする
詐欺の入口でいちばん多いのが電話です。ここを最初に済ませましょう。
iPhone の場合
- 「設定」→「アプリ」→「電話」を開く
- 知らない番号の扱いを決める項目(「不明な番号をスクリーニングする/消音にする」)を開き、「通話の理由を尋ねる」にする
- 同じ画面に「迷惑電話」の項目があれば、オンにする
「通話の理由を尋ねる」にすると、連絡先にない番号からの電話には、iPhone が先に出て用件を聞いてくれます。病院や宅配便など、大事な電話を取りこぼしにくいのも利点です。
Android の場合
Android には、海外の番号だけをまとめて止める設定が標準ではありません。そこで、警察庁が推奨している無料のアプリ(「詐欺対策 by NTTタウンページ」「詐欺バスター Lite」)を入れておくと、海外からの着信を一括で断れるようになります。
家の固定電話の場合
固定電話は、専用の窓口「国際電話不取扱受付センター」に頼めば、海外からの着信を費用をかけずに受けない設定にできます。手続きは Web か電話(0120-210-364)で、電話の名義人か、名義人の了承を得た家族が申し込めます。
それぞれの手順は「「+」から始まる知らない電話は出なくていい」で、画面の流れまでくわしく紹介しています。携帯電話会社の迷惑電話サービスを使う方法は「迷惑電話・国際電話はキャリアで止められる?」をご覧ください。
2. メッセージ:知らない差出人を分けておく
宅配便の不在通知や、銀行を名乗る SMS のリンクを押して、偽サイトでカード番号やパスワードを入れてしまう被害も多くあります。
iPhone の場合(iOS 26 以降)
「設定」→「アプリ」→「メッセージ」の「不明な差出人」の欄で、次の2つをオンにします。
- 不明な差出人をスクリーニング:連絡先にない相手からのメッセージは、通知が出ず、いつもの一覧ではなく「不明な差出人」のリストに分けられる
- 迷惑メッセージをフィルタ:迷惑メッセージと判断されたものは、通知が出ず、「迷惑メッセージ」のリストに移る
分けられたメッセージも消えるわけではなく、それぞれのリストを開けば読めます。
Android の場合
Google の「メッセージ」アプリでは、設定の「保護と安全」にある迷惑メッセージ対策をオンにしておきます。メーカーのメッセージアプリを使っている場合は、名前や場所が違うことがあります。
どちらの場合も、親には「メッセージのリンクからは、ログインもカード番号の入力もしない」と伝えておきましょう。宅配便や銀行の用件は、公式のアプリやブックマークから確かめれば十分です。偽のメッセージの見分け方は「「お詫びメール」が届いたら?」でも紹介しています。
3. 更新:OS とアプリを最新にする
スマホの弱点の多くは、更新で直ります。
- iPhone:「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で、自動アップデートをオンにする
- Android:「設定」の「システム」などから、システムアップデートを確認する
あわせて、親のスマホがまだ更新を受けられる機種かも見ておきましょう。サポートが終わった機種には、新しい弱点の修正が届きません。たとえば Pixel 6 は2026年10月でサポートが終わっています(Pixel 6 のサポート終了の記事)。
4. アプリ:入れていいのは公式のストアからだけ
「このアプリを入れてください」と電話やメッセージで言われても、入れないのが基本です。遠隔操作のアプリを入れさせて、スマホを乗っ取る手口もあります。
Android では、「Google Play プロテクト」がオンになっているかも確かめておきます。Play ストアのアプリでプロフィールのアイコンを押し、「Play プロテクト」の設定を開くと確認できます。
5. アカウント:締め出されたときの備えをしておく
親がパスワードを忘れて、スマホのアカウントに入れなくなることもあります。iPhone なら、家族を「復旧用連絡先」にしておくと安心です。
- 「設定」→「(自分の名前)」→「サインインとセキュリティ」→「復旧用連絡先」から追加する
- 親がアカウントに入れなくなったとき、家族の iPhone に復旧用のコードが届き、それを伝えればパスワードを再設定できる
- 復旧用連絡先は、親のアカウントの中身を見ることはできません。コードを伝える役目だけです
あわせて、LINE やネットバンキングなど、親がよく使うサービスで2段階認証がオンになっているかも見ておきましょう。
設定より大事な「家族の約束」
どんなに設定をしても、詐欺の電話やメッセージを100%止めることはできません。最後に守ってくれるのは、家族で決めておいたルールです。
- お金の話が出たら、いったん切って家族に電話する:相手が警察でも、銀行でも、家族を名乗る人でも同じ
- 合言葉を決めておく:宮城県警は、家族だけがわかる合言葉(例:「うちの犬の名前は?」)で、なりすましを見破る方法をすすめています
- 「誰にも言うな」と言われたら、それが詐欺の合図:本物の警察が、家族に相談するなと言うことはありません
- 困ったときの番号を紙に書いておく:家族の電話番号、警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」
紙に書いて、電話の近くや冷蔵庫に貼っておくと、いざというときに慌てずにすみます。
標準の機能では足りないところ
ここまでの設定は、どれも無料で、スマホに最初から入っている機能や公的なサービスです。まずはこれで十分な人も多いと思います。
そのうえで、次のような場合は、セキュリティソフトを考えてもいいかもしれません。
- 親がネット通販やネットバンキングをよく使う(偽サイトを開く前に警告してくれる)
- 親のパソコンやスマホを、家族の分とまとめて守りたい(複数台で使えるプランがある)
- 家族の端末の状態を、離れていても確かめたい
標準の機能とセキュリティソフトの違いは「セキュリティソフトは必要?」でくわしく比べています。日本でよく使われている製品では、次の2つが定番です。
- 巧妙な詐欺も、ESETなら見抜く 軽くて強い、家族を守るセキュリティ
:3台・5台のプランがあり、30日間の無料体験つき - 定番のセキュリティソフト ノートン 360
:デラックス(3台)以上は、個人情報の漏えいを知らせる機能つき
どちらも、2年目以降の料金や自動更新の扱いを、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
親との話し方のコツ
せっかくの帰省で、言い合いになってしまってはもったいないですよね。話を切り出すときは、次の点を意識すると、受け入れてもらいやすくなります。
- 「だまされそう」と決めつけない:「最近、こういう手口が増えているらしいよ」と、ニュースの話として切り出す
- 自分のスマホも一緒に設定する:「私もやったから、ついでにやっておくね」と言えば、親だけが心配されている感じが減る
- 設定した内容を、紙に書いて残す:あとで「着信が来ない」と困ったときに、何を変えたかわかるようにしておく
ニセ警察詐欺は、20代・30代の被害も多い手口です。親のためだけでなく、家族みんなの備えとして話すのがいいと思います。
だまされたかもと思ったら
- お金を払ってしまった:すぐに振り込んだ先の金融機関と、警察に連絡する。早いほど取り戻せる可能性が残る
- パスワードや暗証番号を教えてしまった:すぐに金融機関やサービスの窓口に連絡して、変更や利用停止を相談する
- どうしていいかわからない:警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」に相談する
「被害金を取り戻せます」という連絡は、二度目の詐欺のことがあるので応じないでください。
よくある質問
親が「知らない番号でも出ないと困る」と言います。
iPhone の「通話の理由を尋ねる」なら、着信をすぐに切るのではなく、iPhone が用件を聞いてくれます。病院や宅配便など、用件を話す相手からの電話は取りやすいままです。
親のスマホがガラケー(携帯電話)です。
携帯電話会社の迷惑電話サービスや、家の固定電話の国際電話の利用休止が中心になります。「家族の約束」は、スマホでもガラケーでも同じように役立ちます。
設定は、離れていてもできますか?
電話で手順を伝えながらでもできますが、画面を一緒に見られる帰省のときが確実です。設定した内容を紙に残しておくと、あとで電話で聞かれたときにも説明しやすくなります。
このブログの考え方
詐欺の記事を書いていると、「自分は大丈夫」と思っている人ほど危ない、という話によく出会います。それは親世代だけでなく、私たちも同じです。
そこで、だまされないように気を張り続けるより、届かないしくみと、家族で決めたルールに頼るほうが続けやすいと思います。設定は一度やれば、あとはスマホが守ってくれます。帰省の30分を、家族みんなの安心のために使ってみてください。
まとめ
- 最優先は電話。iPhone は「通話の理由を尋ねる」、Android は警察庁推奨アプリ、家の電話は国際電話の利用休止
- メッセージは知らない差出人を分け、リンクからはログインしない
- OS の更新、公式ストア以外のアプリを入れないこと、iPhone の復旧用連絡先も見ておく
- 「お金の話が出たら、いったん切って家族に電話」「合言葉」「#9110・188 を紙に」を家族で決めておく
- 足りないところだけ、セキュリティソフトで補う
参考資料
- 令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)(警察庁)
- ニセ警察詐欺に注意!(警察庁 SOS47)
- 警察庁推奨アプリ(警察庁)
- 国際電話不取扱受付センター
- iPhoneで通話をスクリーニングする/着信拒否する(Apple サポート)
- iPhoneのテキストメッセージをスクリーニングする/フィルタリングする(Apple サポート)
- Apple Accountの復旧用連絡先を設定する(Apple サポート)
- 特殊詐欺被害に遭わないために(宮城県)
- 全国の消費生活センター等(国民生活センター)
※ 記事の内容は、2026年11月3日時点の情報をもとにしています。設定の名前や場所は、スマホの機種や OS のバージョンによって違うことがあります。



