ゲームのアカウント、乗っ取られたらどうなる?Nintendo・PlayStation・Steamの二段階認証とパスキー設定ガイド
Switch・PS5・Steamのアカウントには、購入履歴やセーブデータ、クレジットカード、ストアの残高が詰まっています。各社の公式サポートの情報をもとに、乗っ取りを防ぐ二段階認証とパスキーの設定方法、バックアップコードの保管や機種変更のときの注意点をまとめました。
Switch、PS5、Steam。ゲームのアカウントには、何年分もの購入履歴やセーブデータ、登録したクレジットカード、ストアの残高が詰まっています。
もしこのアカウントが乗っ取られたら、勝手に買い物をされたり、ログインできなくなったりするおそれがあります。最近はカプコンの「CAPCOM ID」の情報漏えいのように、ゲーム会社が狙われる事件も起きています。
この記事では、Nintendo・PlayStation・Steamの3つについて、乗っ取りを防ぐ「二段階認証」と「パスキー」の設定方法を、各社の公式サポートの情報をもとにまとめます。どれも無料で、10分ほどで設定できます。
この記事のポイント
- 乗っ取りの入口の多くは、パスワードの使い回しと偽のログイン画面
- 3社とも、二段階認証(パスワードに加えて、スマホのコードで確認するしくみ)を無料で使える
- 任天堂とソニーのアカウントは、パスワードのいらないパスキーにも対応している
- 設定したら、バックアップコード(スマホをなくしたときの予備)を必ず保管する
- アカウントに登録したメールアドレスの守りも大事。メールを取られると、アカウントも取られやすい
乗っ取られると、何が起きる?
ゲームのアカウントが乗っ取られると、次のような被害が考えられます。
- 登録したクレジットカードや残高で、勝手にゲームやアイテムを買われる
- パスワードやメールアドレスを変えられて、自分がログインできなくなる
- 自分のアカウントから、フレンドに詐欺のメッセージを送られる
実際に任天堂では、2020年に、以前のWii Uやニンテンドー3DS世代のアカウントを足がかりにした不正ログインが起き、被害が疑われるIDは約30万件にのぼりました。不正な購入が行われた可能性があるのは、そのうち1%未満とされていますが、任天堂はこのとき、二段階認証を設定するよう利用者に呼びかけています。
乗っ取りの入口は2つ
アカウントが乗っ取られる入口は、大きく2つです。
- パスワードの使い回し:ほかのサービスから漏れたメールアドレスとパスワードの組み合わせを、ゲームのアカウントでも試される
- 偽のログイン画面:「アカウントが停止されます」「無料でアイテムがもらえます」などのメッセージから、本物そっくりの偽サイトに誘われ、パスワードを入力してしまう
どちらも、パスワードだけで守っている限り、防ぎきれません。そこで役に立つのが、二段階認証とパスキーです。
- 二段階認証:パスワードに加えて、スマホのアプリに表示される数字(認証コード)などを入力しないとログインできないしくみ。パスワードが漏れても、スマホが手元になければ入れない
- パスキー:パスワードのかわりに、スマホの顔認証や指紋認証でログインするしくみ。偽サイトでは使えないので、パスワードを盗まれる心配がない
3社の守り方を比べる
各社の公式サポートの情報をもとに整理しました(2026年10月27日時点)。
| Nintendo | PlayStation | Steam | |
|---|---|---|---|
| 二段階認証 | 認証アプリ | 認証アプリ または SMS | Steamモバイルアプリ(Steamガード) |
| パスキー | 対応(10個まで登録できる) | 対応(PS5・PS4・Web・アプリ) | — |
| スマホをなくしたときの予備 | バックアップコード | バックアップコード | リカバリーコード、電話番号 |
Nintendo(ニンテンドーアカウント)の設定
ニンテンドーアカウントの二段階認証は、ブラウザから設定します。
- スマホに、無料の認証アプリ「Google Authenticator」を入れる
- ブラウザでニンテンドーアカウントにログインし、「ログインとセキュリティ」の設定から、2段階認証の「変更」を選ぶ
- 本人確認(パスワードの再入力や、メールに届くコードの入力など)をする
- 画面に出るQRコードを、さきほどのアプリで読み取る
- アプリに表示された6けたの数字を入力する
- 表示されるバックアップコードを、自分だけが見られる場所にしまう
バックアップコードは、認証アプリが使えなくなったときにログインするためのもので、1つのコードは1回しか使えません。
さらに、ニンテンドーアカウントはパスキーにも対応しています。同じ「ログインとセキュリティ」の設定から登録でき、パスワードのかわりにスマホの顔認証などでログインできるようになります。登録できるのは10個までです。任天堂は、家族などと共有している端末には登録しないよう注意しています。
プレイステーション(PS5・PS4)の設定
こちらは、二段階認証もパスキーも、Webと本体の両方から設定できます。
二段階認証(PS5本体の場合)
- 「設定」→「ユーザーとアカウント」→「セキュリティー」→「2段階認証」を選ぶ
- 認証方法を選ぶ(認証アプリかSMS)
- SMSなら電話番号を、アプリならQRコードの読み取りを行う
- 表示・送信されたコードを入力する
- バックアップコードを書き写しておく
Webから設定する場合は、アカウント管理にサインインし、「セキュリティー」の「2段階認証ステータス」の横にある「編集」から進みます。認証方法は、SMSより認証アプリのほうがおすすめです。SMSは、電話番号を乗っ取られる手口に弱いとされるためです。
パスキー
アカウント管理の「セキュリティー」で「パスキーでサインイン」を有効にし、「パスキーを作成」を選びます。PS5では、「設定」→「ユーザーとアカウント」→「アカウント」→「セキュリティー」から設定でき、スマホでQRコードを読み取って登録します。使えるスマホの目安は、iPhoneならiOS 16以降、AndroidならAndroid 9以降です。
なお、PS3とPS Vitaはパスキーに対応していません。
Steamの設定
Steamでは、Steamモバイルアプリがそのまま二段階認証の役割を果たします。この機能を「Steamガード」と呼びます。
- スマホにSteamモバイルアプリを入れて、自分のアカウントでログインする
- アプリの「Steamガード」から、認証機能を追加する
- 表示されるリカバリーコードを控えて、安全な場所に保管する
設定後は、パソコンでSteamに入るとき、スマホのアプリで承認するか、アプリでQRコードを読み取ってログインする形になります。アイテムの取引やマーケットでの販売も、スマホで確認してから行われます。
リカバリーコードは、スマホをなくしたときに自分でアカウントを取り戻すためのものです。Steamは、この手順を飛ばさないようにと注意しています。あわせて、アカウントに電話番号を登録しておくと、回復の手段が増えます。
設定したあとに大事な3つのこと
1. バックアップコードは、スマホ以外に保管する
バックアップコードやリカバリーコードを、スマホのメモにだけ保存していると、スマホをなくしたときにいっしょに失ってしまいます。紙に書いて保管するか、パソコンのパスワード管理アプリなど、スマホとは別の場所にも控えておきましょう。
2. アカウントのメールアドレスを守る
パスワードの再設定は、多くの場合、登録したメールアドレスで行われます。メールのアカウントを乗っ取られると、ゲームのアカウントも取られやすくなります。メールのアカウントにも二段階認証を設定しておきましょう。
3. スマホを買い替える前に、認証アプリを移す
認証アプリやSteamモバイルアプリは、スマホの中にあります。機種変更で古いスマホを初期化する前に、新しいスマホへ移す手続きを済ませておかないと、ログインできなくなることがあります。不安なときは、移す前にバックアップコードが手元にあるかを確かめましょう。
偽のメッセージにも注意
二段階認証を設定しても、偽サイトで認証コードまで入力してしまうと、乗っ取られることがあります。次のようなメッセージには注意しましょう。
- 「アカウントが停止されます」「不正な利用を確認しました」と、ログインを急がせる
- 「無料でゲームやアイテムがもらえる」と、外部のサイトに誘う
- フレンドから突然、「このリンクを見て」「コードを教えて」と頼まれる
ログインするときは、メッセージのリンクからではなく、本体のメニューや公式アプリ、ブックマークした公式サイトから入るのが安全です。パスキーなら、偽サイトではそもそも使えないので、こうした手口にも強くなります。
このブログの考え方
ゲームのアカウントは、「遊ぶためのもの」と思われがちですが、実際にはお金と思い出を預けている場所です。何年も遊んできたセーブデータや、買いためたダウンロード版のゲームは、失ってから取り戻すのが大変です。
二段階認証は、一度設定してしまえば、ふだんの遊び方はほとんど変わりません。Steamのように、スマホでワンタッチ承認するほうが、パスワードを打つより楽なくらいです。休みの日に本体を起動したついでに、10分だけ時間をとって設定しておくことをおすすめします。
まとめ
- ゲームのアカウントには、購入履歴・セーブデータ・クレジットカード・残高が詰まっている。乗っ取りの入口は、パスワードの使い回しと偽サイト
- Nintendoは「ログインとセキュリティ」から、認証アプリで二段階認証。パスキーにも対応
- PS5は「設定」→「ユーザーとアカウント」→「セキュリティー」から。認証アプリかSMSを選べて、パスキーにも対応
- Steamは、Steamモバイルアプリの「Steamガード」で二段階認証。リカバリーコードを必ず控える
- バックアップコードはスマホ以外にも保管し、メールアドレスの守りと、機種変更前の移行も忘れずに
参考資料
- How to Set Up 2-Step Verification for a Nintendo Account(Nintendo Support・英語)
- How to Manage Passkey Authentication for a Nintendo Account(Nintendo・英語)
- PlayStationで2段階認証を設定する方法(PlayStation サポート)
- パスキーを使用してPlayStationにサインインする方法(PlayStation サポート)
- Steamガード:モバイル認証機器の設定方法(Steamサポート)
- Steamモバイルアプリ(Steam)
- 任天堂「ニンテンドーネットワークID」不正アクセスの可能性合計30万件(GameBusiness.jp、2020年6月10日)
※ 記事の内容は、2026年10月27日時点の各社の公式サポートの情報をもとにしています。メニューの名前は、本体やアプリのバージョンによって変わることがあります。

