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スマホ・通信 公開日

Androidは「SMSを受け取るだけ」で通信が切れる?「SMS of Death」の確かめ方と、更新が来ないスマホの備え

特殊なSMSを受け取るだけでAndroidの通話や通信が切れるとされる不具合「SMS of Death」を解説します。Android 14〜17の更新の確かめ方、修正の対象外とされる12・13の備え、今わかっていないことを整理しました。

吹き出しと再起動の矢印が映るスマホ、切れた電波を描いたAndroidの通信障害のイラスト

Androidスマホが特殊なSMSを受け取るだけで、通話やモバイル通信が切れてしまう。そんな不具合「SMS of Death」を、海外の研究者が10月29日に公表しました。

メッセージを開かなくても起きるとされ、研究者の検証では、繰り返し受け取った端末が再起動を繰り返す状態にもなりました。大事なのは、10月のセキュリティ更新を入れていれば防げるとされる一方、Android 12・13には修正が来ていないとされることです。

この記事では、攻撃の方法には触れず、自分のスマホが関係あるかの確かめ方と、更新が来ないスマホの備えをまとめます。

この記事のポイント

  • 結論:Android 14〜17は2026年10月以降の更新で防げる。まず更新の日付を確かめる
  • Android 12・13は修正の対象外とされ、更新だけでは防げない
  • メッセージを開かなくても起き、受信トレイにも表示されないとされる
  • 現時点で実際の悪用は報じられていない。ただし検証用のコードは公開されている
  • iPhoneはAndroidのこの部品を使っていないので、今回の対象外

何が起きるのか

「SMS of Death」は、研究者のMark B氏が付けた呼び名で、番号はCVE-2026-58882です。研究者の説明と、海外のセキュリティ専門メディアBleepingComputerの記事によると、次のことが起きるとされています。

  • 電話の機能を受け持つAndroidの部品が異常終了し、モバイル通信が途切れる
  • 通話中なら切れる。緊急通報も例外ではない
  • 通信会社から同じメッセージが再び届くと、落ちることが続く
  • 検証では、受け取る数が増えると再起動を繰り返し、普通に使える状態へ戻しにくくなった

スマホの中のデータを盗まれたり、遠隔で操作されたりする話ではありません。今回の問題は、スマホを「つながらない状態」にされることです。

ふつうのSMSとは違い、スマホの設定情報などを送るときに使う特殊な種類のメッセージを、受け取ったときの処理に欠陥がありました。アプリでメッセージを開く前に処理されるので、「怪しいSMSを開かない」という普段の心がけでは防げません。

対象のスマホ

Androidのバージョン 今の状況 やること
14〜17 2026年10月の更新で修正とされる 更新の日付が2026年10月以降か確かめる
12・13 修正の対象外とされる 買い替えの時期を考える
11以前 研究者の挙げた対象には含まれない。Googleの公報の対象でもない 別の不具合も残るので買い替えを考える

検証に使われたのは、Pixel 9と、Samsungの各種Galaxyです。ほかのメーカーの機種については書かれていませんが、Androidの共通の部品に原因があるので、メーカーが違えば安全とは言えません。

Googleの2026年10月のセキュリティ公報を見ると、対象はAndroid 14から17までで、12と13は載っていません。修正の中身は、Androidの公開されているコードで確認できます(修正のタイトルは「Fix remote DoS in decodeWapPdu」)。

自分のスマホの確かめ方

機種によって項目名は少し違いますが、Googleのヘルプでは次の手順です。

  1. 設定アプリを開く
  2. 「デバイス情報」を開き、「Android バージョン」を押す
  3. 「Android バージョン」と「Android セキュリティ アップデート」の日付を見る

日付が2026年10月以降なら、今回の不具合は修正済みとされています。それより前の日付なら、更新を探してみましょう。

  1. Wi-Fiにつなぎ、75%以上充電しておく
  2. 設定の「システム」から「ソフトウェア アップデート」を開く
  3. 画面の案内にしたがって更新する

更新が見つからないときは、メーカーや通信会社の配信がまだ届いていないのかもしれません。Androidの更新は、Googleが公開したあと、メーカーや通信会社を通して届くので、時期に差が出ます。各社のサポートページで、自分の機種の配信予定を確かめてください。

更新が来ないスマホはどうする?

Android 12・13のまま使っている人、メーカーの更新が終わった機種を使っている人は、今回の修正を受け取れない可能性があります。

できることは次のとおりです。

  • メーカーの更新期限を確かめる:更新がいつまでか、公式サイトで調べる
  • 買い替えの時期を決める:今すぐでなくても、次の機種を考え始める
  • データのバックアップをとっておく:再起動を繰り返すようになったときに備える
  • 連絡手段をもう1つ持つ:家の固定電話、家族の電話、Wi-Fiで使える連絡アプリなど

特に、お年寄りが古いスマホを使っている家庭では、スマホだけが連絡手段になっていないか確かめておくと安心です。電話の不具合は、困ったときほど影響が大きいからです。

Pixel 6のように更新が終わった機種の考え方は、Pixel 6 / 6 Proのサポート終了の記事でも整理しています。

もし通信が途切れ続けたら

原因がこの不具合かどうかは、利用者には見分けがつきません。通信の不調には、ほかの原因も多くあります。もし、再起動が続いたり、圏外の表示と復帰を繰り返したりするなら、次の順に動きましょう。

  1. 別の電話やパソコンから、通信会社のサポートに連絡する
  2. メーカーのサポートにも状況を伝える
  3. 慌てて初期化しない

初期化すれば直ることもありますが、研究者の検証でも、データを残したまま戻すにはパソコンでの専門的な作業が必要になる場合があるとされています。バックアップがないまま初期化すると、写真などを失います。まず相談しましょう。

今わかっていないこと

わからないこと 今の時点
実際に悪用されているか BleepingComputerの記事に悪用の報告はない
日本の通信会社の網でこのSMSが届くか 確認できていない。各社の発表も見つからない
通信会社の側で止められるか 研究者の説明にも記載がない
Googleの公式な認定 10月の公報にこの番号は載っていない。修正のコードは公開されている
国内メーカーの機種の配信状況 各社のサポートページで個別に確認が必要

この不具合は研究者の報告をもとにした情報で、Googleが公式に説明したものではありません。確実に言えるのは、更新の日付を確かめておいて損はないということです。 10月の更新には、ほかの修正も含まれています。

よくある質問

質問:

iPhoneは関係ありますか?

答え:

今回の不具合はAndroidのコードにあるものなので、iPhoneは対象外です。

質問:

怪しいSMSを開かなければ大丈夫ですか?

答え:

今回はそれでは防げないとされています。メッセージを開く前に処理が走り、受信トレイにも表示されないためです。

質問:

セキュリティソフトで防げますか?

答え:

防げるという情報は確認できていません。今の時点で確実な手段は、修正を含む更新を入れることです。

質問:

届いたか自分で確かめられますか?

答え:

受信トレイには出ないとされているので、利用者が見て確かめるのは難しいでしょう。通信が何度も切れるときは、通信会社に相談してください。

このブログの考え方

スマホのセキュリティというと、「情報を盗まれないように」と考えがちです。でも今回は、盗まれるのではなくつながらなくなる話でした。スマホが電話であり、財布であり、地図でもある今、通信が切れること自体が大きな被害になります。

もうひとつ気になるのは、まだ使えるスマホが修正の対象から外れることです。スマホは動いていても、守られなくなっていることがあります。 バッテリーや画面が元気でも、更新の期限を買い替えの目安のひとつに入れておきたいところです。

まとめ

  • SMS of Death(CVE-2026-58882)は、特殊なSMSを受け取るだけでAndroidの通信が切れるとされる不具合
  • Android 14〜17は、更新の日付が2026年10月以降なら修正済みとされる
  • Android 12・13は修正の対象外とされ、買い替えの時期を考えたい
  • 開かなくても起きるとされ、普段の心がけでは防げない
  • 現時点で悪用の報告はないが、検証用のコードは公開されている
  • 通信が切れ続けたら、初期化の前に通信会社とメーカーに相談する

参考資料

※ 記事の内容は、2026年11月1日時点の情報をもとにしています。Googleの公報や各社の発表で状況が変わることがあります。