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「警察です」の電話は本物?ニセ警察詐欺を見分ける7つのポイントと、話してしまったときの対処

警察官を名乗ってお金をだまし取る「ニセ警察詐欺」は、2026年上半期だけで507.9億円の被害。20代・30代の被害も多い手口です。警察庁の資料をもとに、だましの流れと、本物の警察なら絶対にしない7つのこと、話してしまった・払ってしまったときの対処をまとめました。

スマホから「警察です」という吹き出しが出ていて、横に「?」のマーク。見出しは「その「警察です」は本物?」

「こちら○○警察署です。あなたの口座が犯罪に使われています」。突然こんな電話がかかってきたら、身に覚えがなくても、ドキッとしてしまうものです。

これが、いま被害が急増している「ニセ警察詐欺」の入口です。着信画面に本物の警察署の番号が出ることもあり、電話番号だけでは見分けられません。

この記事では、警察庁の資料をもとに、ニセ警察詐欺の流れと、本物の警察なら絶対にしない7つのこと、そして話してしまったとき・お金を払ってしまったときの対処をまとめます。知らない電話をそもそも止める方法は、「+」から始まる電話の記事で紹介しています。

この記事のポイント

  • ニセ警察詐欺の被害は、2026年上半期だけで507.9億円。1件あたりの被害額は約1,164万円
  • 被害者は高齢者だけではない。20代・30代を合わせた件数は、70代より多い
  • 本物の警察は、SNSやビデオ通話で取り調べをしないし、お金も求めない。「+」から始まる番号でかけてくることもない
  • 警察を名乗る電話は、いったん切って、自分で調べた番号か「#9110」に確かめる
  • お金を払ってしまったら、すぐに振込先の金融機関と警察へ。早いほど取り戻せる可能性が残る

ニセ警察詐欺とは

ニセ警察詐欺は、警察官を名乗って「あなたが事件に関わっている」と不安にさせ、お金をだまし取る手口です。被害が急に増えたため、警察庁は2026年から、ほかの特殊詐欺とは分けて統計をとるようになりました。

2026年上半期(1〜6月)の数字を見てみましょう。

項目 数字
件数 4,466件
被害額 507.9億円(前の年の同じ時期より108.9億円増)
1件あたりの被害額 約1,164万円
最初の接触が電話だった割合 98.2%

1件あたり1,000万円を超えるのは、ほかの手口と比べても大きな額です。「口座を調べる」などの名目で、何度も振り込ませる例も報告されています。

被害者は高齢者だけではない

年代別で一番多いのは70代(869件)です。ただ、30代は664件、20代は550件あり、この2つを合わせると、70代より多くなります。大阪府警も、高齢者だけでなく30〜50代も注意が必要だと呼びかけています。

お金の渡し方は、振り込みが全体の約3分の2。最近は、暗号資産(仮想通貨)を送らせる手口が前の年の2倍以上に増えています。

だましの流れ

警察庁の注意喚起をもとに、よくある流れを整理しました。

  1. 電話で不安にさせる:「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなた名義の携帯電話が不正に契約された」などと告げる。最初に電話会社や総務省を名乗り、あとから「警察官」に代わることもある
  2. SNSやビデオ通話に移る:LINEなどのビデオ通話に誘い、画面越しに偽の警察手帳や、本人の名前が入った逮捕状を見せる
  3. 口止めする:「捜査の内容は誰にも話してはいけない」「話せば守秘義務違反で罰せられる」と言って、家族に相談させない
  4. お金を払わせる:「資産を保護する」「口座を調べる」「口座の識別番号を確認する」などの名目で、振り込みや手渡し、暗号資産の送金をさせる。金の延べ板を買わせて送らせる手口もある

偽の「警察のWebサイト」に誘導する手口も確認されています。教えられた番号を入力すると、自分の名前が入った逮捕状のような書類が表示される、という手の込んだものです。ホテルに泊まらせて家族と連絡をとらせず、何度も振り込ませた例もあります。

本物の警察が「絶対にしない」7つのこと

警察庁は、次のようなことは警察は行わないと明言しています。ひとつでも当てはまったら、その電話は詐欺です。

本物の警察は…
1 「+」から始まる国際電話番号で連絡しない
2 SNSでの連絡や、ビデオ通話での取り調べをしない
3 逮捕状や捜査の書類の画像をSNSで送ったり、郵送したりしない
4 「ネットで警察官の名前を検索して」と指示しない
5 電話で「あなたは捜査の対象になっている」と伝えない
6 個人のスマホに突然ビデオ電話をかけない
7 メールや電話でお金を求めない

「誰にも話すな」という口止めも、相談させないための脅し文句です。大阪府警は、メッセージアプリで逮捕状を見せる、捜査の名目で送金させる、守秘義務を持ち出して相談させない、といったやりとりはすべて詐欺だとしています。

電話がかかってきたら

番号は信じない。いったん切る

ニセ警察詐欺では、着信画面に実在する警察署の代表番号を表示させる手口が使われています。番号が本物に見えても、それだけで信じてはいけません。

  • その場で返事をせず、いったん電話を切る
  • 相手が教えてきた番号には折り返さない
  • 確かめるときは、自分で調べた警察署の番号か、警察相談専用電話「#9110」にかける

家族か誰かに話す

だまされる人の多くは、「誰にも言うな」と言われて、一人で抱えこんでしまいます。家族や友人に話すだけで、おかしいと気づけることは少なくありません。家族の側も、「警察を名乗る電話が来たら、まず家族に電話する」と、ふだんから決めておくと安心です。

話してしまった・払ってしまったときは

お金を払ってしまったら、すぐに連絡

振り込んでしまったときは、すぐに警察と、振り込んだ先の金融機関に連絡します。金融機関には「だまされて振り込んでしまった」と伝えましょう。

振り込め詐欺などに使われた口座は、「振り込め詐欺救済法」にもとづいて凍結できます。凍結された口座にお金が残っていれば、手続きを経て、被害にあった人に「被害回復分配金」として支払われます。

  • 戻ってくるのは、凍結した時点で口座に残っていた額まで。全額が戻るとは限らない
  • 犯人が引き出すほど残高は減るので、連絡は早いほどいい
  • 公告などの手続きがあるため、支払いまでには時間がかかることもある

個人情報を話してしまったら

口座番号やネットバンキングのパスワード、暗証番号などを伝えてしまった場合は、すぐに金融機関に連絡して、パスワードの変更や口座の利用停止を相談しましょう。どこまで話したかをメモしておくと、警察や金融機関に相談するときに役立ちます。

「お金を取り戻せます」という連絡にも注意

被害にあったあとは、「被害金を取り戻します」と持ちかける二度目の詐欺にも気をつけてください。金融庁によると、救済法の手続きで、手続きを担う預金保険機構が被害者にお金を求めることはありません。預金保険機構の職員を名乗ってお金を求められたら、詐欺として警察に通報しましょう。

このブログの考え方

ニセ警察詐欺の怖さは、「警察」という、ふだんならいちばん信頼できる相手を名乗ってくるところにあります。逮捕状を見せられ、「誰にも言うな」と言われたら、冷静でいられる人は多くないはずです。

だからこそ、その場で判断しないことが大切です。「警察からの電話は、いったん切って確かめていい」。これを知っているだけで、詐欺の流れは止められます。本物の警察なら、確かめるために電話を切っても、困ることはありません。

そもそも詐欺の電話がつながらないようにしておくのも効果的です。スマホと家の電話の設定は、「+」から始まる電話の記事を見ながら、家族の分もまとめて済ませておきましょう。

まとめ

  • ニセ警察詐欺は、2026年上半期だけで507.9億円の被害。20代・30代の被害も多い
  • 本物の警察は、「+」の番号でかけない、SNSやビデオ通話で取り調べない、逮捕状の画像を送らない、お金を求めない
  • 番号が本物に見えても信じず、いったん切って、自分で調べた番号か「#9110」で確かめる
  • 「誰にも言うな」は脅し文句。家族や友人に話す
  • 払ってしまったら、すぐに警察と振込先の金融機関へ。救済を名目にした二度目の詐欺にも注意

参考資料

※ 記事の内容は、2026年10月27日時点の情報をもとにしています。