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AIが家電を乗っ取る?スマート家電・見守りカメラを守る7つの対策と、買うときの「星のラベル」

「AIが冷蔵庫や掃除機を乗っ取る?」と報じられ話題に。実際に心配すべきなのはどんなことかを整理し、家にある機器で今日からできる7つの対策と、買うときにチェックしたいJC-STARのラベルを紹介します。

スマート家電の乗っ取り対策を表す、冷蔵庫と見守りカメラ、カギのイラスト

「AIが冷蔵庫や掃除機を乗っ取る?」——2026年10月18日、TBSの報道番組がこんなテーマを取り上げました。最新のAI家電やロボットが並ぶ展示会の様子とあわせて、ハッキングで動かなくなるロボットの実演も紹介され、驚いた人も多かったようです。

エアコン、冷蔵庫、ロボット掃除機、見守りカメラ……。スマホから操作できる家電は、いまや珍しくありません。この記事では、「乗っ取り」は実際どのくらい心配すべきなのか、そして家にある機器で今日からできる対策をまとめます。

この記事のポイント

  • 報道で実演されたのはロボットへの攻撃。冷蔵庫や掃除機が国内で乗っ取られた具体的な被害は示されていない
  • ただし、ネットにつながる機器はパスワードと更新が甘いと、のぞき見や悪用の入り口になる
  • 対策の基本は「初期パスワードを変える」「更新する」「買うときにラベルを見る」

報道では何が紹介された?

番組では、展示会「CEATEC 2026」の会場から、AIを使った見守りロボットなど新しい技術が紹介されました。あわせて別の展示会では、AIを搭載した犬型ロボットが、パソコンからの攻撃で動けなくなる様子が実演されています。

また、同じ週には大手企業による個人情報流出の発表が続き、中にはメールアドレスとパスワードの組み合わせが流出したおそれがあるケースもありました。

一方で、見出しにある「冷蔵庫や掃除機の乗っ取り」について、国内で実際に起きた具体的な被害は報道の中では示されていません。「いま家電の乗っ取りが多発している」というより、「つながる機器が増えるほど、入り口も増える」という警告と受け止めるのがよさそうです。

実際に心配なのは、どんなこと?

家電そのものより、まず気をつけたいのは次のようなケースです。

心配なこと 起こりうること 主な原因
見守り・ペット・防犯カメラ 部屋の映像を他人に見られる 初期パスワードのまま、公開範囲の設定ミス
Wi-Fiルーター 家のネット全体をのぞかれる、攻撃の踏み台にされる 古いファームウェア、推測しやすい管理パスワード
家電のアプリ アカウントに入られ、遠隔操作される ほかのサービスと同じパスワードの使い回し
古い機器 弱点が見つかっても直らない メーカーのサポート終了

ネットワークカメラの映像が、パスワードの設定不足などが原因で海外のサイトに勝手に公開されてしまう問題は、これまでも何度も報じられてきました。カメラは「家の中を外から見る」ための機器なので、守りが甘いと、そのまま他人にも見えてしまいます。

国も対策に乗り出していて、総務省と情報通信研究機構(NICT)などは2019年から「NOTICE」という取り組みで、推測しやすいパスワードのままネットにつながっている機器を調べ、利用者に注意を呼びかけています。

今日からできる7つの対策

1. 初期パスワードを変える

カメラやルーターの管理用パスワードが、買ったときのままになっていないか確認しましょう。英数字と記号をまぜた、長めのパスワードに変えるのが基本です。

2. 家電アプリのアカウントを守る

メーカーのアプリに登録したアカウントは、ほかのサービスと違うパスワードにし、2段階認証があればオンにします。流出したパスワードを使い回していると、そこから入られるおそれがあります。

3. ファームウェア・アプリを更新する

家電やルーターの中で動くソフト(ファームウェア)にも更新があります。自動更新の設定があればオンに。アプリの「お知らせ」も時々見ておきましょう。

4. ルーターを見直す

ルーターは家のネットの玄関です。管理画面で更新を確認し、5年以上前の機種なら、サポートが続いているかメーカーのサイトで確かめましょう。

5. 使わない機能はオフにする

外出先からの操作や映像の共有など、使っていない機能は止めておくと、入り口が減ります。

6. カメラの置き場所を考える

見守りカメラは、寝室や着替えをする場所に向けないなど、万一見られても困らない向きにしておくと安心です。使わないときは電源を切るのも手です。

7. 手放すときは初期化する

売る・譲る・捨てるときは、初期化してアカウントの登録を外すこと。家のWi-Fi情報などが残ったままになるのを防げます。

買うときは「星のラベル」をチェック

これから家電を買うなら、知っておきたいのが**「JC-STAR」**という制度です。経済産業省とIPA(情報処理推進機構)が2025年3月に始めたもので、ネットにつながる製品が一定のセキュリティ基準を満たしているかを、星の数で示します。

  • ★1:ネットにつながる製品に共通する、最低限の対策を満たしているとメーカーが宣言したもの
  • ★2:製品の種類ごとの特徴をふまえ、★1に対策を上乗せしたもの
  • ★3・★4:政府機関や重要インフラ向け。第三者の機関が評価する

IPAの「適合ラベル取得製品リスト」を見ると、ルーターやネットワークカメラのほか、冷蔵庫、オーブンレンジ、エアコン、空気清浄機、給湯器のリモコンなど、身近な家電もすでに並んでいます。ラベルの二次元コードから、製品のサポート情報などを確認できる仕組みです。

ただし、IPAもラベルは完全な安全を保証するものではないとしています。ラベルがあっても、パスワードの変更や更新といった使う側の対策は必要です。

このブログの考え方

スマホで家電を動かせるのは、本当に便利です。外出先からエアコンをつけたり、留守中のペットの様子を見たり。ただ、その便利さは、家の中に「外とつながる窓」を増やすことでもあります。

便利さと安全のあいだをうまく取るには、怖がって使わないのではなく、**窓の鍵(パスワード)をかけて、古くなったら直す(更新する)**こと。AIがどれだけ賢くなっても、まずはこの基本からだと思います。

まとめ

  • 報道されたのはロボットへの攻撃の実演。冷蔵庫や掃除機が国内で乗っ取られた具体的な被害は示されていない
  • 本当に注意したいのは、カメラ・ルーター・アプリのアカウント
  • 初期パスワードの変更、更新、使わない機能のオフ、手放すときの初期化を
  • 買うときはJC-STARのラベルとサポートの続く期間をチェック

個人ができるセキュリティ対策全般は、「サイバー攻撃が急増」は私たちにも関係ある?でもまとめています。

参考資料

※ 記事の内容は、2026年10月21日時点の情報をもとにしています。